ボーイであるということ


大リーグでの松坂人気(レッドソックス)が、すごい。
野茂とか、イチローとか、松井とか、これまでも日本人大リーガーは
存在してきたけれど。松坂大輔は別格、という気がする。


その理由のひとつは、彼がヒーローではなく、ボーイだからではないか。
バットマンではなく、ロビン。そんな印象が、松坂からは感じられる。
アメリカにおけるヒーローとは、どこか現実の影を引きずった存在である。
かのスーパーマンも、第二次大戦中は、ナチスと闘った形跡がある。
それに対し、アメリカ文学における少年は、天真爛漫に残酷だ。
これまでの日本人大リーガーは、いわばトム・クランシー的ヒーロー。
松坂は、スティーヴン・キング的少年、とはいえまいか。


イラクやイランとの軍事的情勢が思わしくないなか、現実を忘れさせて
くれる陽気なシンデレラ・ボーイは、アメリカ国民が待ちわびた存在
でもあるのかもしれない。