2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧
元気になりたいとき観る映画ベスト10のひとつ。 何度観ても思うのだけれど、この映画はとにかくムダがない。 軽妙な会話も一つひとつ計算しつくされていて、印象的にリフレインされる。 物語の舞台は、ニューヨークの大手保険会社。出世を狙うさえない男(ジ…
直木賞作家、田中小実昌のエッセイ集(解説は岩井志麻子)。戦争からの復員後、東大に復学したコミさんは、ストリップの世界に飛び込む。そこで出会ったストリッパーや、ポルノ女優、飲み屋の女たち。のんべえで、だらしなくて、毎晩のように沈没してしまう…
昭和7年の東京を舞台にした、<ベッキーさん>シリーズ第1作。 士族出身の花村家にやってきた新しい運転手が、文武両道の若い美女、という設定が面白い。<覆面作家>シリーズはコメディの要素が強かったけれど、こちらは歴史的背景もあってか、わりとシリア…
おお、リンチってこんなまともな映画も撮れんのか!(笑) 物語の筋はたいして起伏がないのだけれど、9月から10月にかけての田園風景が素晴らしい。なんでもないロード・ムービーでここまで魅せるのは、リンチの映像美だからこそ、かな。個人的には自転車の…
ショウ・ビズ界の裏幕を描く、エロティック・サスペンス。 まあ、特筆すべき点はあまりないのだけれど、1950年代の風俗は良く描けていると思う。真相の意外性はともかく、真犯人の指摘にいたる手続きは、もうちょっと丁寧に描いてほしかった。「セックスシー…
歌舞伎界の老優、中村雅楽を探偵役とする全集第1巻。 この創元推理文庫版はシリーズを完全収録するとのこと。 雅楽ものをまとめて読む機会はなかったので、垂涎ものですね。 俳優が名探偵、という設定はエラリイ・クイーンのドルリイ・レーンものが有名だが…
『春期限定いちごタルト事件』に続くシリーズ第2弾。 前作から1年ちょっと。高校2年生になった小鳩くんと小山内さんのひと夏を描く。 この作家はどうも性格の悪い小説を書くのだけれど、その調子は本作でも健在。 苦い結末というよりは、甘ったるくて胸焼け…
ジョニー・デップが演じるジャック・スパロウ船長ものの第1弾。 海賊映画そのものが希少ではあるので、それなりに楽しめた。 キーラ・ナイトレイがやんちゃな総督の娘を好演しているのも、ポイントかな。 オーランド・ブルームは色男だけれど、それだけとい…
大リーグでの松坂人気(レッドソックス)が、すごい。 野茂とか、イチローとか、松井とか、これまでも日本人大リーガーは 存在してきたけれど。松坂大輔は別格、という気がする。 その理由のひとつは、彼がヒーローではなく、ボーイだからではないか。 バッ…
サブタイトルは、「AV女優から元赤軍派議長まで」。 著者はなんと、800名のAV女優、風俗嬢にインタビューしたというから驚きだ。 で、そのインタビュー術なのだけれど、本質の部分では「相手の半生を興味を もって聞く」というところからはとことんブレない…
今日は「あ、これオレも持ってる」という話が多い1日だった。 特にWhitehouse Coxのブライドルレザー製品は、趣味が近い、というだけで なんだか距離が縮まった気がする一品。 ファッションとは、コミュニケーションの一種なのだな、と実感した。 そう考える…
「小市民」を目指す高校1年生の小鳩くんと小山内さんがさまざまな謎に遭遇する、連作短編集。いわゆる「日常の謎派」のミステリは、東京創元社の十八番ですね。 ミステリとしては格別珍しい点はないのだけれど、小鳩くんと小山内さんがなぜ「小市民」を目指…
石原慎太郎が3選を果たす。 今回の選挙は、建築家の黒川紀章なども出馬して、論戦がなかなか 面白かった。都市としての東京、という観点がクローズアップされた 点でも、いい選挙だったのではないか。 都市生活者としては、経済はもちろん、空間というのも生…
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ主演のスローライフ映画。 監督の荻上直子は『バーバー吉野』でも、もたいまさこと組んでおり、 独特の不思議な世界観を醸し出している。 物語の舞台は、フィンランドのヘルシンキ。サチエ(小林聡美)は 「かもめ食堂」…
4月4日18:00よりケイブが正式リリース。懐かしいなあ、メガテン。 レッドの『天外魔境』もMMORPG化されるみたいだし。 オタク的青春時代がよみがえるってヤツですか。 ハマリそうなので、手は出さないけどね。
「誰でも大ヒット商品をつくれる」という帯コピーの本書。 コンセプトはセンスではなく技術でつくれる、というのが主な内容だ。 佐藤雅彦が語る「つくる技術をつくる」ということにも、近い。 アレックス・オズボーンのチェックリストは、なるほどな、と思っ…
中京女子大の人文学部に、男子学生6名が入学。 すごいね。勇気あるね。挑戦者だね。 女性ばかりの環境というのは、僕はちょっと、遠慮したいのだけれど、 どういう決意で入学したものかなあ。 もしこれが、「モテたい!」とかいうまっとうに不純な理由だとし…
適当とは、バランスである。そんな高田純次の適当に含蓄の富んだ人生論。 といっても高田純次の著書というよりは、精神科医の和田秀樹による評論的な色合いが強い。まあ、なんか、高田純次的に生きるのっていいよね、という本である。それ以上でもそれ以下で…
『機動戦士ガンダムSEED』が『機動戦士ガンダム』の再現だとすれば、 こちらは『機動戦士Zガンダム』の焼き直し。 ストーリーはともかく、作画のひどさはなんとかならないものか。 また、主人公(のはずの)シン・アスカが乗る主役後継機(のはずの) デステ…
『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』のように、犯人のトリックを探偵役が論理で暴いていく叙述ミステリ。この作品が秀逸なのは、犯人の側だけではなく、探偵役にもその行動の「動機」が隠されている点にある。つまり、二重の意味での「ホワイダニット」になっ…