2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『風の谷のナウシカ』/宮崎駿

30年くらい前に、ここまでエコロジーを考えていたというのは、 やはりすごいですね。環境問題というコトバ自体、自然と人間を 切り離している側面もあるわけで。 SFとして読んでも、この作品はハードに素晴らしいと思います。 『千と千尋の神隠し』はようわ…

ビアバー「ブリス」で飲む。 マスターに薦められて飲んだボン・ブーがやたら美味かった。 現行ラベルの前のもの(4年モノくらい?)で、ビンの底にいくほど、 風味が濃くなるんですね。こういう出会いがあるから、酒はやめられん。

TVシリーズ『TRICK』

いや、もう、いまさらなんですけど。 これは面白いですね、英米作家の連作ミステリみたい。 仲間由紀恵に「ひんにゅう」って、ねえ……。 マジシャン・山田奈緒子(仲間由紀恵)と物理学者・上田次郎(阿部寛)の掛け合いも絶妙。ゲスト登場陣も、菅井きんとか…

『人は見た目が9割』/竹内一郎

うーん、読んでしばらくしたら、内容をすっかり忘れてしまった。 漫画のキャラクターの表情の描き方や、演劇におけるシンボライズの方法、 などが書いてあったはずだが……。 パラパラ読み返してみたら、 「女が嘘をついたときは、相手をじっと見つめて取り繕…

『キングとジョーカー』/ピーター・ディキンスン

これほど、幻の名作といわれてきた作品も珍しいのでは。 サンリオSF文庫だと、古本で1万円くらいするし。 いやあ、やっと読めましたよ。 舞台は、現実とは異なる架空の英国王室。前半部は状況説明が多いため、ちょっとたるいが、あまり深く考えずにさくさく…

『点と線』/松本清張

今年は松本清張を読み漁っていく所存。 で、最初がこの『点と線』。文庫本で250頁程度、さくっと読める。 九州博多付近の海岸で発見された、男女の遺体。当初、警察は青酸カリによる心中事件として捜査を進める。しかし「1名様」の食堂車の食券に疑問をもっ…

『四畳半神話大系』/森見登美彦

『太陽の塔』で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した森見登美彦の第二長編。先日読んだ『夜は短し歩けよ乙女』に先行する作品で、やはり舞台は京都、主人公は妄想癖のある大学生である。 この小説は一風変わった構成になっていて、主人公の選択の違い…

『シャドウ』/道尾秀介

叙述トリックの冴えは、法月綸太郎ばり、というといいすぎかな。 終盤で物語の様相が一変する鮮やかさは、本格ミステリの醍醐味ですね。 小学5年生の我茂凰介は、ガンで母親を失った。その葬儀の数日後、家族ぐるみで交友がある同級生、水城亜紀の母親・恵が…

『独白するユニバーサル横メルカトル』/平山夢明

ううん、じつはこの手の小説は苦手なのだよなあ。 日本推理作家協会賞を受賞した表題作は、またいいんだけど……「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」くらいまでいってしまうと、もうムリ。倉坂鬼一郎は大丈夫だけど、友成純一はちょっと、みたい…

『殺しの烙印』/鈴木清順

モノクロームの画面の中にさまざまなテクニックが詰め込まれた、鈴木清順らしいアクション映画。物語の筋は、標的を殺せなかった“ナンバー3”の殺し屋が、組織から追われるといういたってシンプルなもの。ケレン味が強いのは登場人物の方で、「米の炊ける匂い…

『巷説百物語』/京極夏彦

<百物語>シリーズ第1弾。「小豆洗い」「白蔵主」「舞首」「芝右衛門狸」「塩の長司」「柳女」「帷子辻」の7編を収録。文庫版の解説は大塚英志。 京極版・必殺シリーズとでもいうべき、人の心の闇をえぐりだす作品集である。妖怪の姿を借りて、闇に葬り去ら…

セゾン・デュポン

梅田のろばた焼き屋で食事をした後、ドルフィンズにてオトナ飲み。 ウェルカム・ドリンクとしてベルビュー・クリークを一杯。粋ですね。 二杯目は、もう僕の中の定番セゾン・デュポン。 きめの細かい泡が唇に触れると、もう、うっとり。 スッキリした味わい…

新年会

会社のそれなりに偉い人たちと、3人で新年会。 西中島の春夏冬で、ビールをかけつけ3杯。 退社前に突然のアクシデントがなければ、もうちょっと飲めたのだけれど。 で、まったく関係ないのだが、大洗はいま、なかなかのデートスポットらしい。 そうかぁ、僕…

『晩春』/小津安二郎

<紀子>三部作の第一作。主演は原節子、笠智衆など。 まず、画面の隅々にまでいきいわたるモダンさに吃驚! サイクリングロードの「コカコーラの看板」とか、銀座のカフェの内装とか、とてもオシャレなんですね。主演の原節子も日本人離れした美貌で、あの…

『銃とチョコレート』/乙一

講談社ミステリーランドの第10回配本。 箱入りのジュヴナイルで、平田秀一の装丁が美しい。 チョコレートが大好きな少年リンツは、ユダヤ系移民の子。肺病で父親を亡くし、薬品工場に勤める母親と貧しい暮らしを送っていた。そんなリンツはある日、父親に買…

『夜は短し歩けよ乙女』/森見登美彦

このところ歳のせいか、涙腺が緩んできたように思う。とはいえ「最近、泣いた本は?」と問われても、うまく返答ができない。けっこう、うるうるきてるはずなんだけどなぁ。記憶力の低下が問題だろうか。で、なにがいいたいのかというと、本書にはずいぶんホ…

『制服捜査』/佐々木譲

いやぁ、これはいいですよ。実家からの帰りの新幹線で一気読み。 佐々木譲、まだまだやるなあ。 主人公の川久保は札幌で強行犯係の捜査員をつとめていた敏腕刑事だが、定期異動で北海道警察本部釧路方面、広尾警察署志茂別町駐在所勤務となる。北海道警では…

常陸野ネストビール

実家・水戸のスーパーで発見。醸造元は木内酒造。 ふくろうの絵柄が、なんともモダンで可愛らしい。 ペールエール、アンバー、ホワイトビールなどいくつか種類があったが、 個人的にはトラピストビールに近い味わいのアンバーが好み。 苦味があるので、食後…

『あなたに不利な証拠として』/ローリー・リン・ラモンド

「このミス」の海外部門で1位にもなったローリー・リン・ラモンドの処女短編集。正直なところ、ミステリではないと思うのだが、トルーマン・カポーティのような不思議な余韻を残す作品だ。 主人公となるのは、キャサリン、リズ、モナ、キャシー、サラという…