仕事本

『超訳『資本論』』/的場昭弘

これはとてもわかりやすい入門書。 『資本論』が現代においてもつ価値を、しっかり伝えてくれている。 大学で経済学を学んでも良かったな、と思わせられた。 それにしても、若いうちはなぜ勉学の価値を理解できないのか。 労働者とは何か、という問いに正面…

『爆笑問題のニッポンの教養 平和は闘いだ』

東ティモール、シエラレオネ、アフガニスタンで紛争処理・武装解除を行なってきた東京外語大教授・伊勢崎賢治の回。平和構築学という学問もさることながら、こんなすごい人が日本にいるとは。「アジアの安全保障に、憲法第九条が果たす役割は大きい」という…

『根まわし仕事術』/門昌央

「根まわし」という、ともすればネガティブにとらわれかねないコミュニケーションの役得を説いた本。根まわしする相手別の対策が書かれているのが、良かった。こういうのってビジネスマンとしての基本能力だと思うけど、なかなかできないんだよね。『課長 島…

『爆笑問題のニッポンの教養 コトバから逃げられないワタクシ』

NHKで放送中の「爆問学問」。言語学者の田中克彦さんの回。 これはコトバを扱う仕事の人間は必読(必見)。 人間はコトバによって制約され、行動様式も規定されることがわかりやすく問答されている。太田光の質問は相変わらず鋭く、エキサイティング。これは…

『野村再生工場――叱り方、褒め方、教え方』/野村克也

僕は自分のことを「野村克也タイプ」のマネージャーだと思っていて、場を盛り上げたり愛嬌をふりまくのが苦手な身としては、肩の力が抜けるような内容だった。バカな上司にならないよう、もっと努力しなければならない。 あと、本書には出てこないが、僕は野…

『40歳からの肉体改造』/有吉与志恵

肉体改造っていうか、改善だよね。 実際にやってみたら、肩のコリがすぐにとれてビックリした。 本書に出てくるストレッチポールも、ハンズで即購入。 これで姿勢が良くなる、のか? 数ヵ月後の自分に期待。 40歳からの肉体改造―頑張らないトレーニング (ち…

『ネットカフェ難民と貧困ニッポン』/水島宏明

このところ、「ワーキングプア」への関心が僕の中で高まっている。 「『格差』の存在はあっていいが、『貧困』はあってはらなない」 という筆者の主張は、本質を衝いていると思う。 「労働ビッグバン」がもたらしたものは、一体なんだったのか。 人材ビジネ…

『人生の教科書 [人間関係]』/藤原和博

リクルート出身、杉並区立和田中学校の校長をつとめる藤原和博が、 良好な人間関係を築くためのコツを伝授する。 質問形式で章立てがされているので、検索性が高く、読みやすい。 さすがリクルート出身、という気がする。 人生の教科書「人間関係」 (ちくま…

『広告コピーってこう書くんだ!読本』/谷山雅計

新潮文庫「Yonda?」や資生堂TSUBAKI「日本の女性は、美しい。」 などのコピーを書いてきた谷山雅計によるコピーの本。 コピーの書き方(つくり方)がコンパクトにまとめられていて、 若葉マークの人はもちろん、経験3年目以上の人の復習にも役立つ。 セガの…

『バカの壁』/養老孟司

なんで最近の若者はアタマを使わないんだろう、 という疑問にそれなりの回答を出している本。なるほどなー。 でもきっと、この本を読んで「ふむふむ」と思う層は考えることを放棄していないわけで、本当に読んでほしい人は読まないんだろうな。かくいう僕も…

『キミがこの本を買ったワケ』/指南役

本当は梅田にシャツを買いに出かけようとしていたのだが、引越しのために雑誌を処分していたら、めんどくさくなってしまった。で、ソファに陣取り、午後イチからダラダラと読みはじめたのが本書。 ホイチョイプロダクションズのブレーンをつとめる指南役によ…

『ウェブ人間論』/梅田望夫・平野啓一郎

この本を読んでいて、「あ、僕は本音で生きてるのね」と思った。 それはオフライン/オンラインの差も、公/私の差もあまりない、ということでもある。仕事の場に、ふだんの自分を持ち込んじゃっている感覚は常にあるし、それが許容される会社でもあるからだ…

『とてつもない日本』/麻生太郎

基本路線は、最近はやりの「日本人であることに自信をもて」というところ。ただ、「日本は成熟した大人としての発言をすべきだ」という提言はなるほどな、と思った。高齢化社会を憂うのではなく、知の集積した成熟したコミュニティと考えられたら、確かに素…

『企画書は1行』/野地秩嘉

企画書の書き方、というよりは、優れた企画を生み出してきた人物をとりあげたドキュメンタリー。登場するのは放送作家の小山薫堂、トヨタ自動車の張富士夫、JFAの川渕三郎、元警察庁長官の國松孝次、タグボートの岡康道など。企画には明確な意志、わかりやす…

『心を開かせる技術』/本橋信宏

サブタイトルは、「AV女優から元赤軍派議長まで」。 著者はなんと、800名のAV女優、風俗嬢にインタビューしたというから驚きだ。 で、そのインタビュー術なのだけれど、本質の部分では「相手の半生を興味を もって聞く」というところからはとことんブレない…

『パワーコンセプトの技術』/村山涼一

「誰でも大ヒット商品をつくれる」という帯コピーの本書。 コンセプトはセンスではなく技術でつくれる、というのが主な内容だ。 佐藤雅彦が語る「つくる技術をつくる」ということにも、近い。 アレックス・オズボーンのチェックリストは、なるほどな、と思っ…

『適当論』/高田純次

適当とは、バランスである。そんな高田純次の適当に含蓄の富んだ人生論。 といっても高田純次の著書というよりは、精神科医の和田秀樹による評論的な色合いが強い。まあ、なんか、高田純次的に生きるのっていいよね、という本である。それ以上でもそれ以下で…

『人は見た目が9割』/竹内一郎

うーん、読んでしばらくしたら、内容をすっかり忘れてしまった。 漫画のキャラクターの表情の描き方や、演劇におけるシンボライズの方法、 などが書いてあったはずだが……。 パラパラ読み返してみたら、 「女が嘘をついたときは、相手をじっと見つめて取り繕…

『「お客さん、こーゆーとこ初めて?」』/赤澤竜也

梅田のピンサロ店長をしていた著者のいわゆる業界本。 なにがすごいかというと、著者の経歴がすごい。 慶應義塾大学の仏文科を卒業後、日本電気協会新聞部の記者、日能研の国語教師、十三信用金庫を経て、風俗業界へ。大学在学中には、17歳の女子高生をはら…

『プロフェッショナル 仕事の流儀(1)』

NHK番組の書籍版。番組キャスターは脳科学者の茂木健一郎。 星野佳路、リゾート再生請負人。「リーダーに必要なのは、まず行き先を示すこと。そして示した行き先に共感を得る力です」。 佐野俊二、小児心臓外科医。「まず第一に集中力。集中力が高まると、普…

『テレビCM崩壊』/Joseph Jaffe

日本でも「テレビCMが効かない」といわれて久しいが、本書はアメリカの広告界をケーススタディに、崩壊しつつある従来のマス広告について論破する。 アメリカの広告が中心なのでピンとこない話もあるが、ようするに「広告らしい広告は撃墜されていく」という…

『<旭山動物園>革命』/小菅正夫

廃園寸前から一転、日本一の動物園に生まれ変わった「旭山動物園」。 その復活劇を、同動物園の園長が語る。 まず彼らが最初に行なったのは、「動物園とは何か」という本質を考えること。たんなる娯楽施設ではなく、教育、自然保護、調査・研究の場でもある…

『若者はなぜ3年で辞めるのか?』/城繁幸

キーワードは、「昭和的価値観」と「年功序列制度」。 若年層の失業率が高い背景には、団塊の世代が既得権益にしがみついてきた歴史的事実がある。著者はそれに加え、年功序列というシステムそのものが、ねずみ講的な詐欺であることを指摘する。格差を生み出…

『岡康道の仕事と周辺』

CMプランナー、岡康道の仕事をまとめた本。1997年発行なのでちょっと古いが、90年代の主要な仕事はだいたい網羅されている。本書では「補助線」というコトバが繰り返し語られていて、彼の広告手法がうまく解体されていると思う。 「広告の多くは、商品を手に…

『日本人の正体』/養老孟司・テリー伊藤

養老――じゃあ、実際、「武士道って何だ?」って考えると、要は平和な時代の管理職なんだよ。 2004年刊行『オバサンとサムライ』の新書版。 『国家と品格』で受けていた違和感が、本書によって氷解した。理由は、2点ある。 ひとつは、サムライの本質のとらえ…

『国家の品格』/藤原正彦・著

なんというのかな。これは、まぁ、一種のブログ本みたいなものかもしれないな。帯コピーには“画期的日本論”なんて書かれているが。どこをどう読めば、画期的になるんだろう。そう思わざるをえないほど、ありきたりの話が書かれている。まぁ、講演記録が元だ…

『80対20の法則を覆す ロングテールの法則』/菅谷義博・著

「売上の80%は、顧客の20%が生み出す」 1900年代初頭、イタリアの経済学者ヴィルフレード・パレートが提唱した「80対20の法則」。その概念を覆すのが、2004年頃から米国で話題を呼んでいる「ロングテールの法則」である。 本書はこの「ロングテールの法則…

『なぜか部下が納得する!リーダーのためのNLP心理学』/菅谷新吾・著

この春からマネジメント中心の生活を送っているので、それ系の本を読んでみた。内容的には特に目新しいことはなく、実践していることが多いので一安心。 それよりも面白かったのは、リーダーシップの発揮に必要な6つのパワーが、求人広告における動機形成と…