『「お客さん、こーゆーとこ初めて?」』/赤澤竜也


梅田のピンサロ店長をしていた著者のいわゆる業界本。
なにがすごいかというと、著者の経歴がすごい。


慶應義塾大学の仏文科を卒業後、日本電気協会新聞部の記者、日能研の国語教師、十三信用金庫を経て、風俗業界へ。大学在学中には、17歳の女子高生をはらませ、自宅で妻と二人だけでの分娩にも成功している。父親は都市銀行の役員、弟は国際線のパイロット。もう、なにがなんだかわからぬ経歴である。


ところがこの本、著者のプライベートについてはほとんど触れられず、ピンサロ店での日々が徒然なるままにつづられている。ヤクザとの関係とか、風俗嬢の実態とか、税務署との闘いとか、いろいろあるんだけれど、ちょっと中途半端なのは否めない。ただ、エピローグにある「普通の人って怖いな」というひとことは、なにかこう、共感するものがあるなぁ。あと、風俗嬢にオシャレさんは多くない、という理由にもなるほどなと思った。


「お客さん、こーゆーとこ初めて?」艶街経営日誌

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