2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『ゴハンの丸かじり』/東海林さだお

この人の観察眼は、すごいのだ。 ゴハンの丸かじり (文春文庫)作者: 東海林さだお出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/02/10メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (19件) を見る

『水に描かれた館』/佐々木丸美

<館>三部作の二作目。 とても密度の濃い小説で、天才少女小説家、という呼び声の理由がよくわかる。 超心理学や神秘学を絡めつつ、少女・涼子の痛々しい恋心を切実に描く筆の運びに脱帽。石垣女史の造形にも、なんだかほっとする優しさを感じた。 このよう…

仮面の告白

どんなに平気なフリをしていても、平気じゃないことはある。 というか、フリをしている時点で、まさしく平気ではない。 たとえば子供は、ときに、親にひどい言葉を投げかけるものだ。 それは、親がすべてを受け入れてくれると信じているからにほかならない。…

『ニライカナイからの手紙』/熊澤尚人監督

蒼井優の存在感が際立つ作品。彼女にはカメラが良く似合う。 ただ、この映画は「計算」がうまくなされておらず、全体的に雑な感じがする。郵政民営化の真っ只中で、郵便局員(前田吟)に「我々の仕事は…」と語られても、なんだか白々しい。ゆうパックが出て…

ひまわり

部屋が殺風景な気がしたので、小さなひまわりを購入。 それだけで、なんだか夏気分になるから不思議だ。

『スクール・オブ・ロック』/リチャード・リンクレイター監督

ジャック・ブラックの圧倒的なパフォーマンスで、ご飯が三杯食べられそう。ストーリー展開は王道パターンなのだけれど、丁寧に作られているので飽きずに観れた。 スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]出版社/メーカー: パラ…

『恋の門』/松尾スズキ監督

意外とまっとうな「モノづくり」映画。 主人公の二人が温泉宿で漫画を描くシーンは、創作の原点が垣間見える。モノづくりというのは、なにより楽しまなきゃな、という至極もっともな結論だけれども。 基本的には物語を追うというよりも、カメオ出演している…

傘の誘い

僕は、よく傘を置き忘れるのだけれど。 不思議なもので、いちばん大切にしている傘は、なくさない。 名古屋から大阪に転勤になるときにコピーライターの仲間からもらったもので、この傘をさすたびに、昔のことを思い出す。たった一本の傘だけれど、確かに人…

ドルフィンズ梅田店

ドルフィンズ梅田店で、久しぶりにヒューガルデン ホワイトの生にありついた。 梅田店には、まだ残ってたのね。 あんまり嬉しいので、昼間から三杯も飲んでしまいましたよ。

『砂の城』/一条ゆかり

密度の濃いメロドラマ。 やれるだけやった、という開き直り感が、いっそ小気味いい。 文庫版を読んだけど、ひと昔前の洋書の装丁みたいで、お洒落。 砂の城 1 (集英社文庫(コミック版))作者: 一条ゆかり出版社/メーカー: 集英社発売日: 1995/12/15メディア: …

江坂公園上空

のんびりたゆたう雲もいいけど、びゅんと飛んでく雲も好きだ。 台風のあとは、いつも生まれ変わったような気持ちにさせてくれる。 若草の香りも、つんと際立って、誇らしげに感じられるね。

『ラブ・アクチュアリー』/リチャード・カーティス監督

9.11以降の混沌とする現実の中で、それでも世の中は愛にあふれているといいきれるのは、強さかもしれない。人の心は、ときに自らの気持ちさえも裏切ってしまう。いえなかった言葉、できなかった行為を責めるのではなく、すべてを受容して前進できるなら、そ…

『めぞん一刻(1)〜(15)』/高橋留美子

よかったね、五代くん。 めぞん一刻 (15) (ビッグコミックス)作者: 高橋留美子出版社/メーカー: 小学館発売日: 1987/05メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (16件) を見る

『奇術師』/クリストファー・プリースト

語りに身を委ねる愉悦と、騙りに翻弄される衝撃。 そのふたつをいっぺんに味わえるのが、この作品のすごさだろう。 20世紀初頭に火花を散らした、ふたりの天才奇術師、アルフレッド・ボーデンとルパート・エンジャ。彼らのキャリアをもっとも輝かせたパフォ…

『ハイ・フィデリティ』/スティーブン・フリアーズ監督

うわぁ、身につまされるな、この映画は。 中古レコード店を経営するロブは、30代の冴えない音楽オタク。同棲中の恋人、ローラが部屋を出て行ったことから、「なぜ俺はフラれつづけるのか」という命題に取り組みはじめる。「これまでのイタイ失恋トップ5」を…

たこ茶屋

会社で開催したキャッチコピー大会(1年目向け)の優勝者を連れて、たこ茶屋へ。 7500円のおまかせコースを堪能する。 ここのたこ料理は、本当にうまいなぁ。 はもの皮を焼いたのも、香ばしくてほくほくで、最高でした。 同じ会社の営業が接待で来たのに遭遇…

90年代の清算(その5)

古典について、語ろう。アガサ・クリスティ。エラリー・クイーン。ジョン・ディクスン・カー。アントニー・バークリー。ヴァン・ダイン。高校時代は、見向きもしない作家たちだった。ハードボイルドからミステリの世界にはまりこんだ少年は、文学におけるゲ…

『時をかける少女』/細田守監督

文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞など、受賞歴多数。 各メディアでも絶賛されているが……僕はちょっと、合わないな。 物語の展開が、少し速すぎるんじゃないだろうか。 それとも、いわゆる青春モノには、感情移入できないのかな? スティーヴン・…

『銀河英雄伝説(3)雌伏篇』/田中芳樹

イゼルローン要塞を攻略するため、帝国のシャフト技術大将は移動要塞の建設を進言する。一方、自由惑星同盟の政治屋たちに疎まれるヤン・ウェンリーは査問会にかけられることとなり、同盟首都ハイネセンに呼び出されてしまう。ヤン不在のまま、キャゼルヌた…

『金魚屋古書店(1)〜(5)』/芳崎せいむ

あー、これはすごい! 「出納帳」のときより、物語の運びが断然うまくなってる。 世界観にも広がりが出てきたし。せどりのあゆさん、可愛い。 どの話も良いけど、2話「北斎漫画」、22話「悪魔の力」、24話「続・共通言語」、32話「ほうれん草」とかが好きか…

『ライトスタッフ』/フィリップ・カウフマン監督

アメリカの宇宙開拓プロジェクト、マーキュリー計画を描いた男くさい映画。 190分以上の長い作品だが、観はじめると時間を忘れてしまう。 アカデミー賞では作曲賞(ドラマ)、編集賞、音響効果賞、録音賞の4部門を受賞。 世界で初めて音速を超えたテストパイ…

『金魚屋古書店出納帳(上・下)』/芳崎せいむ

やっぱりこの人のマンガはいいなあ。 『テレキネシス』は映画の話だけど、こっちはマンガ古書店。 第11話の「漫画の神様」は何度読んでも泣く。ぜったい泣く。 金魚屋古書店出納帳 上 IKKI COMICS作者: 芳崎せいむ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2004/12/24…

たらふく楽

福岡から転勤してきた会社の同僚と、西中島の「たらふく楽」へ。 ここは魚料理とか、馬刺しとかが美味い。 あと、意外なところでカルボナーラ(スパゲティ)。 このときは「うなぎの白焼き」がヒットでした。 いつもいるアルバイトの店員さんの接客が心地よ…

『Who Is This Bitch, Anyway』/Marlene Show

ソウルの名盤なのね。痺れるくらい、かっこいい。 この人の声、すごく好きだな。 Who Is This Bitch Anywayアーティスト: Marlena Shaw出版社/メーカー: Blue Note発売日: 1993/07/13メディア: CD クリック: 4回この商品を含むブログ (17件) を見る

『新世紀エヴァンゲリオン(11)』/貞本義行

貞本版エヴァもいよいよ佳境へ。 個人的にはこっちの方が描写が美しいので、アニメ版よりも好き。 新世紀エヴァンゲリオン (11) (角川コミックス・エース (KCA12-11))作者: 貞本義行,カラー出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/06/18メディア: コミック購…

『とてつもない日本』/麻生太郎

基本路線は、最近はやりの「日本人であることに自信をもて」というところ。ただ、「日本は成熟した大人としての発言をすべきだ」という提言はなるほどな、と思った。高齢化社会を憂うのではなく、知の集積した成熟したコミュニティと考えられたら、確かに素…

『ローマの休日』/ウィリアム・ワイラー監督

主演はグレゴリー・ペック、オードリー・ヘプバーン。 アカデミー主演女優賞、最優秀脚本賞、最優秀衣装デザイン賞を受賞。 この作品が一級のロマンティック・コメディであることはいうまでもないが、終盤、アン王女が城に戻るシーンは圧巻。空白の1日を通じ…