『若者はなぜ3年で辞めるのか？』／城繁幸

キーワードは、「昭和的価値観」と「年功序列制度」。
若年層の失業率が高い背景には、団塊の世代が既得権益にしがみついてきた歴史的事実がある。著者はそれに加え、年功序列というシステムそのものが、ねずみ講的な詐欺であることを指摘する。格差を生み出す最大の要因は、年功序列であると看破するのだ。

ベンチャー企業に勤務しているとわからないが、世の中には作業的な仕事をさせられ続けている若者が、多くいるのだろう。大手企業の総合職にも、「頭を使う仕事がしたい」という転職動機をもつ人間がたくさんいるのだと考えさせられる。日本的システムは根本の部分で壊れてしまったのだから、再構築をするしかないという意見は、もっともに感じた。もちろん、現実にどうすべきかは、別の難しい問題になるが。

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)