『アパートの鍵貸します』/ビリー・ワイルダー監督


元気になりたいとき観る映画ベスト10のひとつ。
何度観ても思うのだけれど、この映画はとにかくムダがない。
軽妙な会話も一つひとつ計算しつくされていて、印象的にリフレインされる。


物語の舞台は、ニューヨークの大手保険会社。出世を狙うさえない男(ジャック・レモン)は上司たちに自宅の鍵を貸し、情事の手助けをしている。ところが部長の連れ込んだ相手が、意中のエレベーターガール(シャーリー・マクレーン)と発覚。男はバーでしこたまに酒を飲み、出会った人妻とアパートに戻るが、そこには睡眠薬で自殺を図ったエレベーターガールが倒れていた。


語りだせばきりがないが、ラストの数分間は、特に素晴らしい。
この間合いが、大人の映画なのよね。
恋をしていても、していなくても、この作品を観ればハッピーだ。