前進


どこで読んだか思い出せないのだけれど(若年性痴呆症か?)、「人間は人間にしか興味がない」のだと、最近とみに思う。


そういう素朴なことを、素朴な感情のままに語ることは、案外むずかしい。一歩間違えれば偽善だし、偽善を語るほど落ちぶれてもいないつもりだからだ。ただ、まっすぐに物事にぶつかりきれていないことも事実。これは間違いなく、僕自身の問題である。臆病なのだと思う。臆病は罪ではない、という言説に耳を貸すほど、年を食ってもいない。傷つくのを恐れるほど、幼いわけでもない。


いま、この瞬間の僕にしか書けないこと。そこから目をそらさぬことが、まずは大前提なのかもしれない。そう思っているうちは、迷うことなく前進できるはずだから。