『あんどーなつ 江戸和菓子職人物語(1)〜(2)』/西ゆうじ、テリー山本


和菓子職人の世界に足を踏み入れた女の子、安藤奈津(あんどうなつ)の成長を描く人情味あふれる物語。ようやく単行本化されたので、購入した。


ヒロインの安藤奈津は、とにかく純真でまっすぐな性格の持ち主。「いまどきこんな女の子いねぇよ」というツッコミは、野暮ってもんでしょう。和菓子のもつほっこりした優しさがあふれていて、じんとくる話が多い。そうそう、こういうウェルメイドな漫画が読みたかったのよね。


また、職人の修行の厳しさもまた、この物語の見所のひとつ。2巻目の終盤で、競合店の偏屈な職人が「うちにもあんな弟子がいたら……」という気持ち、なんだかわかるなぁ。最近、ちょっと後輩ライターの育成が甘くなっていたかもしれない。落ちこぼれはつくりたくないけど、愛情に裏づけされた厳しさは、ないとやっていけない世界ではあるわけだし。


あんどーなつ 江戸和菓子職人物語 1 (ビッグコミックス)

あんどーなつ 江戸和菓子職人物語 1 (ビッグコミックス)