『王様の仕立て屋(1)〜(3)』/大河原遁


「親方が晩年こぼしていた。いい職人が少なくなったが、いい客はもっと少なくなった……ってな」


服飾関連のマンガを探していて、発見。
主人公のユウ・オリベは、ナポリの泥棒市に住む仕立て屋。かつてナポリ中の“サルト・フィニート(究めし職人)”から一目置かれたマリオ・サントリヨが、唯一認めた弟子だ。気に入った仕事しか受けない、というスタンスは、仕立て屋版「ブラックジャック」といった感じ。若干、演出が過剰だが、痛快で陽気なストーリーはイタリアらしいというべきか。これはなかなか、掘り出しものだった。