『半落ち』/横山秀夫
いまさらながら、のミステリなので、紹介はいらないと思うけれど。
まず、題名が良い。完落ちならぬ、半落ちなのですね。
物語の焦点は、妻殺しをした梶警部の空白の2日間に当てられるのだけれど。
その捜査の間に、県警や検察の思惑が絡み合い、さらに緊張感が高まる。
真実はふたつあってもいいのだ、という台詞は、組織人なら一度は感じた
ことがあるものだろう。
“ひとりの人間を助けるために、多くの人が自分を賭ける”という構成は
浅田次郎の『壬生義士伝』にも通じるが、やはり感動は深い。
静かな小説だが、すっと心に入りこんでくるのは、さすがですね。
- 作者: 横山秀夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/09/15
- メディア: 文庫
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