『文庫版 狂骨の夢』/京極夏彦
<京極堂>シリーズ第3作。
血塗れの神主、髑髏をもつ坊主、夫を何度も殺害する女性。
個人的なものであるはずの夢が、じつはすべて繋がっている……という趣向が面白い。ユングの集合的無意識とは180度違う方法で、無関係と思われる登場人物たちの「髑髏の夢」の謎が解明されていく。解説は山田正紀。「はなはだしいまでにリアル」という京極作品のとらえ方にも、納得。
今回は関口君の出番が比較的少ないので、事件も錯綜していない印象がある。京極堂、榎木津、木場の出番もほどよい感じで、作品としてのまとまりも良い。ノベルス版より、磨きがかかった感じだ。
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/09/05
- メディア: 文庫
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