『文庫版 狂骨の夢』/京極夏彦


京極堂>シリーズ第3作。
血塗れの神主、髑髏をもつ坊主、夫を何度も殺害する女性。
個人的なものであるはずの夢が、じつはすべて繋がっている……という趣向が面白い。ユング集合的無意識とは180度違う方法で、無関係と思われる登場人物たちの「髑髏の夢」の謎が解明されていく。解説は山田正紀。「はなはだしいまでにリアル」という京極作品のとらえ方にも、納得。


今回は関口君の出番が比較的少ないので、事件も錯綜していない印象がある。京極堂、榎木津、木場の出番もほどよい感じで、作品としてのまとまりも良い。ノベルス版より、磨きがかかった感じだ。


文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)