『Help!』/The Beatles


ビートルズ5枚目のアルバム(同名映画のサウンドトラック盤だが、独立したひとつのアルバムとして非常に完成度が高い)。アイドルとしての扱いに嫌気が差している本音を、ジョンが痛烈に叫ぶ“Help!”。学校の教材にもなっているポールの名曲“Yesterday”。初期のカーペンターズもカバーした“Ticket To Ride”などを収録。もっともビートルズらしい1枚といえるかもしれない。


この頃のビートルズボブ・ディランの影響を受けた作曲も試みていて、“You've Got To Hide Your Love Away”などは何度聴いても涙モノ。ポールがつくったカントリー・フォーク・バラードの“I've Just Seen A Face”もいい。ラストの“Dizzy Miss Lizzie”は正統派のロックンロールだけれども、このアルバムのなかでは正直いって浮いているのが残念。


また、アルバムのジャケットでは、4人が手旗信号で「HELP」を表している。このあたりのアイデアも、クリエイターならばため息をつかざるをえない。


HELP! - 4人はアイドル

HELP! - 4人はアイドル