『セント・オブ・ウーマン 〜夢の香り〜』/マーティン・ブレスト監督


なんだか安っぽいロマンスのような題名なのだけれど、中身は素晴らしくウェルメイドなビルドゥングス・ロマン。退役軍人を演じるアル・パチーノは、嫌味がなくオスカーも納得。「足が絡まっても踊り続ければいい」、と勇気の出る映画だな。地味なストーリー展開を、あふれんばかりのサービス精神によって着心地のいい仕立服のように完成させている。大切なものは、いつだって、すぐ近くにあるんだ。