領域


僕には語ることが許されない、語るべきではないだろうな、
という事柄がなんだかたくさんあって。
余計なお世話だな、と思うと、
どうしても沈黙ばかりが増えてしまう。
自分が傷つくことには、少しずつ、慣れてきたはずだから。
これは、配慮の領域なんだろうか。
でも心のどこかでは、
理解しあえないかもしれない、
ということへの恐怖があるのかもしれないな。
そうなのかもしれない、という考えは、
諦めとか、絶望とは、ちょっと違う。
ほんの少しだけ、領域を広げるための言葉。
それが、そうなのかもしれない、なんだと思う。
誰かと違うということは、踏み越えられない何かでありながら、
自分自身の存在を確認するための、何かなのかもしれない。
そうなのかも、しれない。