『暗闇の終わり』/キース・ピータースン・著/芹澤恵・訳
なにごとにも、 “初めて” はあるわけで。
僕にとってのハードボイルド初体験は、
キース・ピータースン『暗闇の終わり』 だった。
この小説、なんといっても中年新聞記者ウェルズと、若手女性記者との会話がシビれる。いつも心配する彼女(美人なのはお約束)のお小言をさえぎるように、
「そんな目でこっちを見るんじゃない、ランシング」
う〜〜ん、わかる。その気持ち、わかるぞ、ウェルズ。
なにかこう、男って素直じゃないのよね、ホント。
さらに、コンピュータ化が進む新聞社で、ひとりタイプライターにこだわるウェルズ。
はっきりいって、上司だったら “扱いずらいイヤなやつ” だ。
でもその職人魂みたいなのが、すごくいい。渋い大人の魅力ってやつなのね。
- 作者: キース・ピータースン,芹澤恵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1990/10
- メディア: 文庫
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