『暗闇の終わり』/キース・ピータースン・著/芹澤恵・訳



なにごとにも、 “初めて” はあるわけで。
僕にとってのハードボイルド初体験は、
キース・ピータースン『暗闇の終わり』 だった。


この小説、なんといっても中年新聞記者ウェルズと、若手女性記者との会話がシビれる。いつも心配する彼女(美人なのはお約束)のお小言をさえぎるように、


「そんな目でこっちを見るんじゃない、ランシング」


う〜〜ん、わかる。その気持ち、わかるぞ、ウェルズ。
なにかこう、男って素直じゃないのよね、ホント。


さらに、コンピュータ化が進む新聞社で、ひとりタイプライターにこだわるウェルズ。
はっきりいって、上司だったら “扱いずらいイヤなやつ” だ。


でもその職人魂みたいなのが、すごくいい。渋い大人の魅力ってやつなのね。



暗闇の終わり (創元推理文庫)

暗闇の終わり (創元推理文庫)