『悪党パーカー/裏切りのコイン』/リチャード・スターク
悪党パーカー・シリーズ第9作。
長い刑務所暮らしから抜け出したばかりの犯罪者仲間レンケから、仕事に誘われたパーカー。獲物は展示会に出展される200万ドル相当のコイン。依頼主であるコインディーラー、ビリー・レバタードのシロウト加減に嫌気がさし、いったんは仕事を下りることを決意するパーカーだったが……。
その後のシリーズでも大きな役割を果たす未亡人、クレアが初登場。仕事中に女は抱かない、と決めていたパーカーがそのルールを破るくらいの存在なのだが、中盤まではその魅力がわかりにくい。終盤で発揮される気丈さに、惹かれるものがあったのか?シリーズの中でも珍しく、パーカーの迷いが垣間見える作品だ。ストーリーテリングの妙は、いまさらいうまでもない。
悪党パーカー/裏切りのコイン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1439)
- 作者: リチャード・スターク,大久保寛
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1984/10
- メディア: 新書
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