『赤・黒(ルージュ・ノワール)』/石田衣良
IWGPの外伝長編。半端モノの映像ディレクターが、カジノの売上金を強奪しようとして、ドツボにはまっていくというお話。とはいえ、馳星周のような脂ぎったノワール(褒めてます)ではなくて、タッチは軽い。このへんは、シリーズの特徴をうまく利用していると思う。するりと読ませてくれる娯楽作品。
石田衣良の小説の優れた点は、ムダがないところだろう。主人公の特殊能力(映像を鮮明に記憶できる)が物語とうまく調和しているし、落ち目のガジリ屋とか、脇役の使い方もうまい。時代性がクローズアップされやすい作家だけれど、基本にはどっしりとした構成力がありますね。
赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝 (文春文庫 (い47-7))
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/01/11
- メディア: 文庫
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