『獣どもの街』/ジェイムズ・エルロイ


ノワールの帝王、狂犬エルロイの連作集。
壊れた文体でとっつきにくいが、あまり理性的に考えなければ問題なし。
これはある意味、語り手である刑事リック・ジェンソンの妄想なのだから。
イカレた小説が読みたいなら、すぐに手に取るべし。
宿命の女、ドナ・W・ドナヒューが歳をとらない(ように思える)のは、
やはりこれがファンタジー(性的妄想)だからだろうか。


ブラック・ダリア』や『LAコンフィデンシャル』を映画で観て、
興味本位で手を出そうとする人には、ちょっと刺激が強すぎるかもしれないな。


獣どもの街 (文春文庫)

獣どもの街 (文春文庫)