『文庫版 魍魎の匣』/京極夏彦
<京極堂>シリーズ第2弾。日本推理作家協会賞受賞作。
再読しはじめたら、止まらなくなってきた。
箱型の研究所に入院させられた瀕死の美少女、柚木加奈子。
武蔵野周辺で次々と発見される、箱に詰められたバラバラの四肢。
箱の中に巣食う「魍魎」を封じるという霊能者。
京極堂は「順番が重要」と語り、曖昧模糊とした妖怪、魍魎退治に乗り出すが…。
ハコの内と外、境界、空洞と充実。
京極作品が面白いのは、事象が象徴化され、すべてが有機的に結合しているところにあると思う。いわゆるモジュラー型のミステリでもあり、異常な現象群が「憑物落とし」によって、あるべき場所に収束する。ピタリ、とピースがはまり、パズルが完成した瞬間、視界が明瞭になるような感覚を覚えるのだ。
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/09/08
- メディア: 文庫
- 購入: 17人 クリック: 539回
- この商品を含むブログ (337件) を見る