『文庫版 魍魎の匣』/京極夏彦


京極堂>シリーズ第2弾。日本推理作家協会賞受賞作。
再読しはじめたら、止まらなくなってきた。


型の研究所に入院させられた瀕死の美少女、柚木加奈子。
武蔵野周辺で次々と発見される、に詰められたバラバラの四肢。
の中に巣食う「魍魎」を封じるという霊能者。
京極堂は「順番が重要」と語り、曖昧模糊とした妖怪、魍魎退治に乗り出すが…。


ハコの内と外、境界、空洞と充実。
京極作品が面白いのは、事象が象徴化され、すべてが有機的に結合しているところにあると思う。いわゆるモジュラー型のミステリでもあり、異常な現象群が「憑物落とし」によって、あるべき場所に収束する。ピタリ、とピースがはまり、パズルが完成した瞬間、視界が明瞭になるような感覚を覚えるのだ。


文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)