『氷と炎の歌3 剣嵐の大地(1)』/ジョージ・R・R・マーティン


ローカス賞連続受賞の<氷と炎の歌>第3弾。今回から3分冊でのリリース。


王都キングズランディングでの決戦後、少年王ジョフリーの統治体制を整えることで覇権を手にしたラニスター家。南部の大家ティレル家との婚姻など、血縁による同盟政策を進めていく。一方、北の王ロブは戦には勝つものの、若さゆえの過ちにより味方の諸侯を失うことに。さらに“壁”の向こう側で、ジョン・スノウは“壁の外の王”マンス・レイダーと出会う。


本作から“王殺し(キングスレイヤー)”ジェイム・ラニスターの視点も加わり、物語の厚さがさらに増している。この作品はとにかく強烈なキャラクターばかりで、ドンデン返しも多く、おそらく今世紀を代表するファンタジー小説になるだろう。個人的には“小鬼(インプ)”ティリオンの繊細なウィットや、プリンセスながら野生化しつづけるアリアのパートが楽しみで仕方ない。


剣嵐の大地〈1〉 (氷と炎の歌 (3))

剣嵐の大地〈1〉 (氷と炎の歌 (3))