『玻璃の天』/北村薫


ベッキーさん>シリーズ第2作。
現代(といっても昭和初期だけど)の『ロミオとジュリエット』を描いた「幻の橋」。
令嬢の失踪事件にまつわる「想夫恋」。
弁士の墜落死を解き明かす「玻璃の天」。
以上三編を収録する連作集。


語り手の花村英子は深窓の令嬢としてはお転婆すぎるし、ベッキーさんこと運転手の別宮はそれこそ「ありえない」人物造形だが、まあこれはこれで面白い。ミステリ的にはあまり見所がないが、なんとなく次作も読んでしまうだろうな、と想う。ベッキーさんの素性も、少しわかったし。意外と宝塚向きなネタかもしれない。


玻璃の天

玻璃の天