『女王国の城』/有栖川有栖


学生アリスのシリーズ第4作。15年ぶりの新作(もうそんなになるのか)。
前半はちょっとだるい展開が続くが、後半は盛り返す。
UFO談義が、あんまり機能していないのよね。
凶器の移動に関する真相は新鮮だっただけに、残念。
いやむしろ、『双頭の悪魔』が良すぎた、かな。
シリーズとしての水準は高い。

その人――江神さんの横顔をそっと覗いたら、ただ淋しそうな目をしていた。何か言ってあげたいのに、言葉が浮かばない。探偵は、わが身を切って犯人を射たのだ。


女王国の城 (創元クライム・クラブ)

女王国の城 (創元クライム・クラブ)