『双生児』/クリストファー・プリースト


これは、すごい。今年読んだ中ではベストといえる作品。
第二次世界大戦を舞台にした歴史小説の体裁をもちながら、とんでもない幻想世界を構築してみせる。『奇術師』の衝撃度も大きかったけれど、物語全体を貫く仕掛けの精密さはこちらの方が断然上。読み終わって、原題の“The Separation”の意味が強く胸をうつ。


小難しい話は抜きにして、物語の豊かさを存分に愉しめる一冊。たぶん、何度も読み返す作品になるだろうな。やはり、この作家からは目が離せない。


双生児 (プラチナ・ファンタジイ)

双生児 (プラチナ・ファンタジイ)