しましま


昨日の話になるが、あまりに天気が良いので散歩に出かけたら、
テレビ塔の近くで「ストライプ」というフレーズが頭をよぎった。
するとそこから、芋ずる式に物語の断片とか、人物造形などが浮かんできて、
三越前で思いつくままにメモをとる。
イデアというほどたいそうなものではないけれど、
ときどきこういうふうに物語が降ってくることがあって、
一歩間違えると電波系だよな、と思った。


僕の場合、机の前で考えることはあんまりなくて、
身体を動かしているときのほうが頭が活発になる。
もともと何かを深く考えるたちではないから、
びゅんびゅんと視界を動かさないと、
アンテナにひっかかってこないのかもしれない。
つまり、集中力がとぼしい、ということでもある。
たまにどうでもいいことを、ぶつぶつ、つぶやいて、
近くの人に聞き返されることもあるなあ。
あれはちょっと、恥ずかしい。


でもいくら考えなしとはいっても、心はしっかり定まっていて、
「好き」とか「面白い」という感情がブレることはない。
問題はその理由があいまいなことで、「なぜ好きなのか」と聞かれると、
しどろもどろになってしまう。自分でも、ずいぶん直情型なんだな、と思う。
行動が鈍いので、思索型に見えるようだけど、じつはそうじゃない。鈍いだけだ。
あんまり、クリエイティブの世界は向いてないのかな、
といまさらながらにため息をつく。