『スノウブラインド』/倉野憲比古


帯コピーでは『葉桜の季節に君を想うということ』や『イニシエーション・ラブ』に並ぶ衝撃のデビュー作、といったことが書かれているが、ちょっと系統が違うかな。どちらかというと、倉阪鬼一郎に近いと思う。麻耶雄嵩にも似ている。


吹雪の山荘で起こる密室殺人、心理学講義、魔女裁判狗神憑き、ナチズムなど、小道具は非常に凝っていて面白い。ただ、オチが途中で読めてしまうので、ちょっと物足りなかった。こういうのをやるなら、ストリブリングの『カリブ諸島の手がかり』くらいの域に達しないとつまらない。この手のものが好きな人でなければ、終盤で本を投げ捨てるかもしれないな、と感じた。


スノウブラインド

スノウブラインド


カリブ諸島の手がかり (河出文庫)

カリブ諸島の手がかり (河出文庫)


四重奏 Quartet (講談社ノベルス)

四重奏 Quartet (講談社ノベルス)