『熾天使の夏』/笠井潔
ミステリではない矢吹駆もの、ということで少し躊躇していたが、読んでみたら想像以上に良かった。この人は本格推理よりも、純文学で生きるべきだったのではないか。「革命」に身を投じたもののヒリヒリした感覚が伝わってきて、エネルギーを感じる小説だった。これを読むと、『青銅の悲劇』はやはりムダが多すぎる。矢吹駆シリーズの印象が、また少し変わるかもしれない。
- 作者: 笠井潔
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/07
- メディア: 単行本
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