『スミス都へ行く』/フランク・キャプラ監督


1939年、アカデミー原案賞受賞作。
主人公のスミス氏は、西部の田舎で少年団のリーダーを務める善良な青年。そんな彼がお飾り議員として上院に送り込まれるところから、物語はスタートする。国会議事堂やリンカーン記念館を見学し、アメリカの理想に感激するスミス氏。ところが彼の敬愛する先輩議員は、ダム建設の汚職に関わっていた。その事実を公表しようとした彼は、政財界の黒幕テイラーの罠に落ちてしまう。


なんといっても、後半の演説シーンが圧巻。「いちど発言をはじめた者は、座ることなく、話し続けるかぎり発言を許される」という議会法を盾に、24時間近くもしゃべりたおすスミス氏。時間とともに疲弊し、声を嗄らしながらも、自らの理想のために発言し続ける彼の姿には胸が締めつけられる。スミス氏を演じるのは、ジェームズ・スチュワート。不正の多い世の中で、巨悪に立ち向かう純真な男を、アメリカの象徴として演じきっている。


サラリーマンにだって、闘わなくてはならないときは、あるよなぁ。