『文庫版 塗仏の宴 宴の支度』/京極夏彦


京極堂シリーズ第6弾。ようやく再読の旅も折り返しに。


関口巽が、戦中に村人が消えたとされる集落を探す「ぬっぺっぽう」。
狂骨の夢』の朱美が自殺志願者の村上兵吉を助ける「うわん」。
消えた記憶をめぐり京極堂が後催眠を暴く「ひょうすべ」。
韓流気道会に狙われた敦子と華仙姑処女をめぐる「わいら」。
変質者に覗かれていると語る女に木場修が関わる「しょうけら」。
『絡新婦の理』の織作茜が石長姫の神像の奉納先を探す「おとろし」。


6つの物語、そして「成仙道」「みちの教え修身会」「韓流気道会」「条山房」「藍童子」「太斗風水塾」という怪しげな組織。関口巽が殺人の容疑者として捕らえられ、宴の支度が整ったところで、物語は終わる。
これまでの作品とは違い、前後編に分かれるような体裁をとっているので、妖怪や民俗学に関する記述も多く、その方面が好きならどっぷりはまれるだろう。人によっては、じれったく感じるかもしれないが。


文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (講談社文庫)

文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (講談社文庫)