『薔薇の女』/笠井潔


矢吹駆初期三部作の三作目。
アンドロギュヌス>を名乗る連続殺人犯がパリの街を跋扈する。
両性具有や犯行現場に撒かれた薔薇など、耽美な空気のある作品。
そして思想対決の相手は、エロティシズム研究で高名なジョルジュ・バタイユ
ところで、『薔薇の女』の発表年は1983年。
1981年の島田荘司のデビュー作『占星術殺人事件』も肉人形を扱っているので、
読み比べると面白いかもしれない。
それにしても、この三部作が世に送り出されたのは30年も前のこと。
笠井潔のすごさがよくわかる。


薔薇の女―ベランジュ家殺人事件 (創元推理文庫)

薔薇の女―ベランジュ家殺人事件 (創元推理文庫)