『コックサッカーブルース』/村上龍


村上龍、1991年の長編小説。「ドラゴン・ツリー・フェスティバル」という謎のSMパーティをめぐり、出版社のオーナー・堀坂進太郎が陰謀めいた世界に足を踏み入れるさまを描く。SMに関しては大沢在昌『心では重すぎる』や、石田衣良池袋ウエストゲートパークなどでも扱われているが、先駆的という意味では本書の方が上だろう。シャーマニズムへの視線も、田口ランディがかわいく思えるくらいだ。正直、この手の小説は好きではないが、読後感は憂鬱ではない。15年前に読んでいたら、もっと違った感想があったかも。


コックサッカーブルース (集英社文庫)

コックサッカーブルース (集英社文庫)