2006-01-01から1年間の記事一覧

『プロフェッショナル 仕事の流儀(1)』

NHK番組の書籍版。番組キャスターは脳科学者の茂木健一郎。 星野佳路、リゾート再生請負人。「リーダーに必要なのは、まず行き先を示すこと。そして示した行き先に共感を得る力です」。 佐野俊二、小児心臓外科医。「まず第一に集中力。集中力が高まると、普…

『冷えきった週末』/ヒラリー・ウォー

フェローズ署長ものの一作。 浮気にうつつを抜かす、上流階級の様子を冷めた目で描いている。フェアプレイではあるのだろうけど、いまひとつ推理にスッキリしないのは、情報過多だからだろうか。事件自体に魅力を感じないのも、理由のひとつかな。「105項目…

『パニックの手』/ジョナサン・キャロル

じつはジョナサン・キャロル初体験。一読した感想は、ポップなトルーマン・カポーティみたい。アメリカ文学の匂いが濃厚な短編集ですね。 まず、しょっぱなの「フィドルヘッド氏」にヤラレた。途中までは、ピーターパン的なファンタジィなのだけれど……ラスト…

Leffe Blonde

フルーティなベルギービール。東急ハンズで1本400円也。 苦味が少なく、ほんのり甘いので、女性も飲みやすいと思う。 先日、ビアバーで飲んだマレッツ6なんかも良かった。

『邪魅の雫』/京極夏彦

京極堂シリーズ最新刊。 前作『陰摩羅鬼の瑕』は特異な舞台だったが、今回は江戸川、大磯、平塚で次々と毒殺事件が起きる。いつもの妖怪話は鳴りをひそめて、モジュラー型の警察小説の匂いさえ漂っているのが、異色といえば異色。個人的には木場の旦那の登場…

『ウルトラマン誕生』/実相寺昭雄

特撮映像の世界では知らぬもののいない、実相寺昭雄が語る「ウルトラマン」の撮影エピソード。もともとは『ウルトラマンのできるまで』と『ウルトラマンに夢見た男たち』の二冊だったものを、合本改題したものだ。本書ではウルトラマンが誕生し、育まれ、多…

『シン・シティ:ビッグ・ファット・キル』/フランク・ミラー

シリーズ第3弾。2作目を読んでいないのだが、冒頭にあらすじがあるので、だいたいの展開はわかる。 主人公のドワイトは女に暴力をふるう男、ジャッキー・ボーイを追い、オールドタウンへ向かう。そこは娼婦たちが自ら武装し、自衛している街。二刀流の女殺し…

『シン・シティ:ハード・グッドバイ』/フランク・ミラー

こいつは、ハードボイルドなアメコミですね。シリーズ第1作。 主人公のマーヴは、ある日、天使のような女と一夜を共にする。彼女の名前は、ゴールディ。しかしマーヴが起きると、その隣でゴールディは死んでいた。同時に駆けつける警官たち。罠だ。そう直感…

『わたしを離さないで』/カズオ・イシグロ

『日の名残り』でブッカー賞を受賞したカズオ・イシグロの最新長編。 とても素晴らしい小説なのだが、あらすじをここで記すわけにはいかない。ただ、きらめく青春を切り取った、とても切ない物語であることは確かだ。 著者の小説で繰り返される、「運命」と…

『テレビCM崩壊』/Joseph Jaffe

日本でも「テレビCMが効かない」といわれて久しいが、本書はアメリカの広告界をケーススタディに、崩壊しつつある従来のマス広告について論破する。 アメリカの広告が中心なのでピンとこない話もあるが、ようするに「広告らしい広告は撃墜されていく」という…

『不思議な少年(5)』/山下和美

山下和美を知ったのは、当然のごとく『天才柳沢教授の生活』。 この漫画家のニンゲン観察眼は、とても深くて、優しいと思う。 『不思議な少年』もまた、しかり。“狂言回し”の役をつとめる少年は、人智を超える存在で、ときに人を翻弄し、ときに人を救う。神…

『<旭山動物園>革命』/小菅正夫

廃園寸前から一転、日本一の動物園に生まれ変わった「旭山動物園」。 その復活劇を、同動物園の園長が語る。 まず彼らが最初に行なったのは、「動物園とは何か」という本質を考えること。たんなる娯楽施設ではなく、教育、自然保護、調査・研究の場でもある…

『つゆダク(1)〜(10)』/朔ユキ蔵

アホな漫画である。芸術的なまでに、アホな漫画だ。 主人公の卓郎は、アイドルに会いたい一心でテレビ局に入社。しかし彼には、とんでもない密命が待っていた。それは「芸能人とセックスすること」。狭い業界内で生きる女性たちの鬱憤を晴らすべく、卓郎は「…

『しゃばけ』/畠中恵

日本ファンタジーノベル大賞優秀賞作。 江戸を舞台にした、時代ミステリの秀作だ。 主人公の一太郎は、江戸有数の廻船問屋の息子。幼い頃から身体が弱く、17歳になったいまも外出すらままならない。そんな彼には特殊な能力があった。それは、妖怪を見られる…

『クライマーズ・ハイ』/横山秀夫

久しぶりにイッキ読み。個人的には『半落ち』よりも感動が深かった。 ビールを飲みながら読みはじめて、酔うヒマがないくらい興奮したものなあ。 物語は1985年、御巣鷹山に日航ジャンボ機が墜落したところからはじまる。群馬の地元紙「北関東新聞」に勤める…

『若者はなぜ3年で辞めるのか?』/城繁幸

キーワードは、「昭和的価値観」と「年功序列制度」。 若年層の失業率が高い背景には、団塊の世代が既得権益にしがみついてきた歴史的事実がある。著者はそれに加え、年功序列というシステムそのものが、ねずみ講的な詐欺であることを指摘する。格差を生み出…

『地下鉄に乗って』/浅田次郎

浅田次郎的リリシズムが全開の長編小説。とはいえ、後悔とか、未練とか、そういうものとは一線を画している。けっこうドライな小説なのだ。 主人公の小沼真次は、派手な下着専門のアパレルメーカーに勤務するサラリーマン。同僚のデザイナー、みち子とは肉体…

今夜のひとこと(中曽根康弘)

「サンデープロジェクト」に中曽根康弘が出演。 好きか嫌いかはともかく、やっぱりこの人はたいした政治家だと思う。 「日本は東南アジアで諸島国連合をつくるべきだ」という話が面白かった。 なるほど、日本は海の国なんだなぁ。 時代の証言者〈2〉戦後政治…

『ブラック・ラグーン』/広江礼威

こりゃまた、すごいな。久々のハードコア漫画。 「特攻野郎Aチーム」を1万倍くらいバイオレンスにした作品ですね。 やたらキャラクターが濃いのはジャパニーズ・アニメーションのお約束だとしても、ここまで非情な物語がつくれることに敬服した。商業主義の…

『ウィンチェスター銃 '73』/アンソニー・マン監督

ジェームズ・スチュワート主演の西部劇。1950年公開。 主人公のリンは、ライフルの名手。彼が仇敵を求めて、ダッジ・シティを訪れる場面から物語ははじまる。そこで酒場女を追い出そうとする男に、つっかかるリン。ところが相手の男は、町の保安官、ワイアッ…

『名もなき毒』/宮部みゆき

登場人物はコミカルだが、テーマは重い、という作品。 ミステリとして読むと、肩透かしを食うかもしれない。これは寓話ですね。 主人公の杉村三郎は、今多コンツェルンの社内報を編集するヒラのサラリーマン。彼の妻は会長の娘なのだが、権力争いとは無縁の…

subservient chicken

これは面白い。そうとう古いネタだけど。 なつかしいなぁ、バーガーキング。 http://www.subservientchicken.com

景品狂想曲

角川文庫のブックカバー目当てに、滝本竜彦を2冊購入。 いや、だってケロロ軍曹のカバー、2種類とも欲しかったんだもの……。

『第三の時効』/横山秀夫

F県警強行犯を描く、連作短編集。 『半落ち』が黄金期のハリウッド映画的ヒューマンドラマだとすれば、こちらはフィルム・ノワールの世界。エド・マクベイン「87分署シリーズ」や、エルロイ「LA四部作」に近い手触りの作品だ。いかに他の班を出し抜き、手柄…

『流星ワゴン』/重松清

中年の悲哀を描かせれば天下一品、重松清の後悔小説。 悲しくなっちゃうくらい、人生の坂道を転がり落ちてきた38歳の永田さんが主人公だ。生きる希望を失くした彼が出会ったのは、5年前に交通事故で死んだはずの橋本親子。二人の「オデッセイ」に乗り込み、…

今夜のひとこと(寄り道三昧)

というか、ハードボイルド読んでないぞ(爆)。

『GOTH』/乙一

不思議な印象の小説だと思っていたら、なるほど、これは『妖魔夜行』が念頭にあるのね。乙一はライトノベルの地位をある程度引き上げたという点で、重要な作家なのだろう。 ただ、感覚的に77年生まれの僕らとは世代が違うというか、純粋だなという気はする。…

『タフの方舟(2) 天の果実』/ジョージ・R・R・マーティン

1巻目から順に読んでいくと、タフが「神」に近づいていく経過がよくわかる。 人口問題に決定的(かつ皮肉)な解決策を提示する、「天の果実」などはその極北といえるだろう。この連作集は80年代に書かれたものだが、「もはや環境問題には神の力を用いるしか…

『タフの方舟(1)禍つ星』/ジョージ・R・R・マーティン

いやはや、これまた傑作ですね。 主人公のハヴィランド・タフは、1000年前に崩壊した連邦帝国の胚種船、<方舟>号の主にして、自称・環境エンジニア。全長30kmにもおよぶ超巨大な宇宙船は、宇宙中の生物のサンプルを保有する、生物兵器のカタマリのようなも…

今夜のひとこと(エンジン)

お盆開けから、フルスロットルでございますよ。